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久米 幸絵
広告代理店にて展示会ブース設計・デザインの仕事に携わったのち、フランスに留学。毎週のマルシェ巡りと食べ歩きで、フランス料理と仏文化を学ぶ。帰国後、フランス料理レストラン&パティスリーの厨房に勤務。 興味のあるものはフード&アート。現在は「建築と料理の類似性」について、料理というアプローチから考えてゆきます。 また、人が集う場所に欠かせない食べ物は重要なコミュニケーションツールです。幸福な「場」を作るシチュエーションアートとして料理をとらえてゆきたいです。 趣味はおいしいレストランの開拓と、宗教建築巡り。市場やスーパーを徘徊すること。 ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると、励みになります。 人気blogランキングへ カテゴリ
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2005年 09月 08日
パリのマレ地区のスウェーデン文化センターで、スカンジナビアとアフリカの文化比較展をやっていました。 入り口の横にミュージアムショップがあって、そこの壁に並んでいたお皿。 クロスのパターンとラインの雰囲気が、私にはかなりアフリカンな雰囲気に感じられます。 しかし、これはスウェーデンの作家物でした。 そして、入り口の丸太をくりぬいた船の中に入っている色とりどりのクッション、古木の雰囲気にすっかり溶け込んで、似たようなテイストを醸し出していますが、この布たちも北と南のものが入り混じってます。ちょっと見ただけでは、どっちがどっちだかわからないし、丸木舟にもよく似合う…。 食器やキッチン用品なども、よく馴染んでいてしかもクール。 文化の比較をする場合、東洋と西洋などのいわゆる東西文化は、その「違い」を切り口にします。 文字を書く時に縦書き、横書きの違い。 住むところの場合は、東洋(日本)は木と紙で作るのに対して西洋建築は石材を使用する点。自然素材を、ゆがみや狂いも含めて受け入れている建築と、数学的な知識を駆使して半永久的な素材でコントロールしようとする建築。 着るものの場合は、日本の着物は織物のかたちをそのまま活かして、平面的な直線断ちの布を帯でしめて身につけていますが、西洋生まれの洋服は人の体のかたちを優先して立体的に作られています。 庭もそう。日本庭園は「回遊式庭園」と言って、人が中に入って、歩き回って眺めて楽しむかたち。 「フランス式庭園」は、庭木や花壇のかたちを美しく剪定して、権力者がお城の窓から全体を眺めたときに模様のようにバランス良く配置されていて、外から眺めて楽しむ庭園。 農耕文化と狩猟文化の違い、お箸とフォーク&ナイフの違い、水墨画と油絵の違い。 東西は、様々なことにおいて対称と言ってもいいくらい違う、というのが私にとっては普通の見方です。ありふれた、当たり前のことと言ってもいい。 そして、東西よりも更にかけ離れているように感じる南北の文化が、実はこんなに似ているなんて!! 距離や文化的に対極にあるものに関して「相違点」でなく「類似点」を持ってきてしまうというのは、ものすごく新しい切り口です。一気にやられてしまいました。 どうしてこんな風に似ているんだろう?似る理由はなにひとつないのに。 例えばインディアンとアボリジニーとか、フォークロアアートが何となく共通する空気を持っているというのなら、わかります。でもこれはモダンもあって、しかも生活用品。 この展示を企画したキュレーターの人を、心底尊敬します。 ちなみに、アルファベットは左から右に横書き、漢字は右から左に縦書きですが、アラビア文字の場合はなんと右側から左に向かって横に書いていく、って知ってますか?またまた違うタイプの、計り知れない異文化。 下から上に縦書きする、っていう言語はさすがにないですね…。
by passage_chantier
| 2005-09-08 00:09
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